増田徳太郎の投資哲学

第6章 日経225「ミニ先物」成功への道

1.技能や知識より大切な心構え

ここまでテクニカル分析を中心に、「ミニ先物」投資で成功する方法を解説してきましたが、皆さんは投資で何が一番重要だと思いますか。

確かに、少しでも上手に相場の実戦を乗り切るための道具、ツールは大切です。しかし、道具よりもっと大切なものは、それを使う人の心、つまり心理と心構えです。実際の投資で成否を左右するのは、実は知識や相場技能、道具ではなく、それを使うための心理・心構えといってもいいでしょう。

テクニカル指標が売り買いのシグナルを発していても、勇気がないために実際の売買に踏み切れない、または損切りをためらってしまうようなことがあれば、せっかくの優れた分析指標も役に立ちません。いくら勉強して、シミュレーションなどで腕を磨いても、それだけでは実戦投資で利益を上げることはできないのです。

テクニカル分析などの基礎をしっかり勉強したら、すぐ実際の相場に立ち向かうのではなく、もう一度、自分の心理面を見直し、心構えを新たにする時間を持ちましょう。

2.利食いと損切りのコントロールが最大の課題

相場に対する心や心構えが問われるのは、新規の売り買いで入る時よりも、むしろ出口、つまり利食いと損切りを実行する時です。

相場の方向をうまく予測できたとしても、利食いと損切りがしっかりできなければ、利益を上げ、損失を最低限に抑えることはできません。

利食いと損切りのコントロールこそ、「ミニ先物」投資で成功できるかどうかを分ける最大の課題といってもいいでしょう。

利食い・損切りのもっとも大事なことは、あらかじめ自分が決めたルールに必ず従うということです。テクニカル指標が示すシグナル、資金コントロールなど、自分の投資ルール(マイルール)を構成するものはいろいろありますが、いったんこうと決めたら、そのルールには絶対に従うということを肝に銘じてください。

相場の状況によっては、なかなかうまくいかず弱気になったり、逆に調子に乗りすぎたりしがちですが、これこそ相場が投資家の心理に与える巧妙なワナなのです。利食い・損切りのルールをしっかり決めて、相場に一喜一憂することなく、淡々と取引を実行できるようになれば、自然と損失も減って利益が積み重なっていくことでしょう。

3.決めた損切りルールを必ず守る

強い心構えを持って決めたルールに従い、損切りすべきところでは確実に損切りをするという姿勢が重要です。

しかし、「言うは易し、行なうは難し」で、実際には、なかなか実行できないのが通常です。どうしても損切りを遅らせてしまう強い力が、相場にはあるからです。

買いで入ったのに逆に下がってしまい、ポジションはマイナスが表示されてしまう。失敗したと思っても、その後すぐに戻ってプラスに転じる。こうした経験をすると、方向が間違っていても、いずれは自分の思った方向に変わってくれるのでは…と、往々にしてこのような心理に傾きがちです。

しかし、そうは自分が望む方向には行ってくれません。損失が自分の決めた一定限度を超えたら、すぐ強制的に損切りするという習慣をつけましょう。たとえ損切りしたあとに相場が反転しても、それは「たまたま」だったと割り切るのです。

「ミニ先物」はレバレッジ効果が働くので、損切りをためらえば損失額が大きく膨らみます。トレンドが変わったら、「5円、10円のヤラレでも損切り」などというように、ルールを決めておきましょう。

4.損失が出ても自分を責めてはいけない

「ミニ先物」投資で成功するには、利益をできるだけ伸ばして、損失を最小限にとどめることが原則となります。とはいえ、相場には成功と失敗がつきものです。「相場で成功するには勝率を上げること。できれば100%勝ちたい」と思っていても、現実には100%勝つなどということは起こり得ません。

必ず失敗を伴うのが相場なのです。重要なのは失敗しないことではなく、損失をできるだけ小さくして利益を伸ばすことです。

ですから、たまたま小さな失敗をしたからといって、自分を責めてはいけません。「ミニ先物」取引に失敗はつきものですから、損失を苦にして、「自分は相場に向いていない」などと卑下する必要はまったくありません。次に成功すればいいと、余裕を持って構えていればいいのです。

「勝率100%のデイトレーダー」とか、「連戦連勝のカリスマ投資家」などといった謳い文句を見たときには、まず疑っていいでしょう。そんなことはあり得ませんし、勝率100%、連戦連勝を目標に努力しても報われることはありません。「最終的に利益を得ること」が重要なのです。

5.少しずつ儲けていくという姿勢が必要

「利益をできるだけ伸ばして、損失を最小にする」というのが、「ミニ先物」投資成功の鉄則です。前のコーナーで、「最終的に利益を出すことが大事」といいましたが、その時その時の成功や失敗に揺れ動くのではなく、「月に30万円以上儲ける」などといった明確な目標を定めて、それに向かって利益と損失をコントロールすることが重要です。

何度も繰り返しますが、損切りポイントをしっかりと守って取引をしましょう。それで損失が増えていくようであれば、取引をしばらく休んで投資戦略やテクニカル指標の使い方を点検してみましょう。

軌道に乗ってくれば、通常の相場で自分がどれくらい損失を出すのかのメドがついてくるでしょう。そうすれば、目標とする利益の幅もおのずと分かってくるはずです。

デイトレードなら1日単位、スイングトレードなら1週間単位で、どれくらいの利益と損失を計上するかといった目安が立てば、あとはそれを積み重ねるか、あるいは戦略を徐々に手直しして、段々と収益率を向上させていくのです。

一気に大きな利益を狙うと、その分リスクも高まるので、少しずつ儲けていくことを目指しましょう。

6.理屈づけのできない注文はしないこと

「ミニ先物」の取引にあたっては、慎重さと大胆さの2つの要素が不可欠です。

「ミニ先物」は、レバレッジ効果でリターンとリスクが通常の株式投資よりも大きくなります。ですから、いざ注文発注という時になると、損失を恐れるあまり腰が引けてしまうこともありがちです。

しかし、待っていてばかりいては始まりません。どこかで踏ん切りをつけて、自分を信じて注文を出しましょう。

必要なのは実際の注文を出すまでに、十分に相場を吟味し、納得できるだけの理屈づけを考えておくことです。そうして慎重に考えても失敗する時は失敗するのですが、十分に考えた上であれば、何が悪かったのかを論理的に考えることもでき、それを次の機会に生かすことができます。尼考えないで出した注文は、反省しようにもその材料がなく、次につながりません。

納得できる考えがまとまったら、すかさず注文を出しましょう。ここでは大胆さが必要です。失敗することを恐れていても仕方がありません。損失を取り戻すチャンスはたくさんあります。それよりも、仕掛けのタイミングを逃さないようにすることが大切です。

7.損切り幅は相場状況でも変わる

実際に損切りポイントを決める場合、もっとも重要なのは、自分の投資資金の規模にあったポイントを設定することです。

損切りポイントを大きく取り過ぎ、仮に1回で証拠金の半分もなくしてしまうようなところに損切りポイントをおいてしまうと、そのあと取引を続けていけなくなります。ですから、例えば、証拠金の5%程度の範囲で損失がとどまるようにしたほうがいいでしょう。

ただし、前のコーナーでも述べたように、損切りポイントがあまりに近すぎるのも避けたいところです。ただ、相場は投資家のフトコロ具合とは関係なく変動します。 相場が大きく変動している時には、上昇幅も下落幅も両方大きくなります。このような相場では、通常よりも損切り幅を大きく取る必要が出てくるでしょう。 相場が大きく動いている時は、それ相応のリスクも覚悟しなければなりませんが、ここは資金状況などもからんで、投資家一人ひとりの戦略によって変わってきます。あえて、そうした場合には取引しないというのも、立派な投資戦略です。

8.損は切って利は伸ばせ

損切りは思い切りが肝心です。一方、利食いは我慢が大事です。

実際の相場に参加していると、常に不安が伴います。たとえ、今現在は儲かっていても(評価益が出ている状態)、いつトレンドが反転して損をしてしまうのではないかと、不安にかられるのです。 そのため、せっかく利が乗っていて、さらにそれを伸ばせそうな状況にあっても、どうしても損失発生の不安が先に立って、早め早めに手仕舞いをしてしまいがちです。ここが、実は投資の成功と失敗の分岐点なのです。

損切りを適切に行なったとしても、肝心の利益が積み重ならなければ何にもなりません。利益が乗ったところでは、勇気を持って、さらに利を伸ばすようにすべきです。 たとえ、結果的にそこからあまり利益が拡大しなかったとしても、利益確定の逆指し値注文などで、一定の利益を確保する手段はあります。問題は少しばかりの利が乗ったからといって、すぐに利食いをしてしまう心理にあります。

「損は切って利は伸ばせ」とは昔から伝えられる相場格言ですが、実際の相場もこの言葉どおりです。利を伸ばす忍耐力を養いましょう。

9.「頭と尻尾はくれてやれ」精神でいく

相場に際して、最安値で買って最高値で売る。あるいは、最高値で新規売りして、最安値で買い戻す。こんなことができれば、とても爽快です。でも、そのようなことは、まずあり得ないと考えたほうがいいでしょう。仮にあったとしても、それは「単なる偶然」と思っておいたほうがいいのです。

「ミニ先物」に投資する目的は、何度もいいますが、最終的にトータルで利益を確保することであって、その時々の相場の高値安値を的中させることではありません。

最安値で買って最高値で売れれば、もちろんこれ以上の喜びはありませんが、それを狙うために、自分の投資戦略を曲げてしまう必要はまったくないのです。

というより、最安値で買って最高値で売る(最高値で売って最安値で買い戻す)などということは、実現性は限りなくゼロに近いですし、そもそもあまり意味がないと考えたほうがいいでしょう。

これも相場格言に、「頭と尻尾はくれてやれ」とありますが、上昇幅と下落幅の半分を取れれば十分で、欲が深すぎると失敗することを戒めています。

10.自分にとって最適な戦略を考えよう

これまで「ミニ先物」投資に対する心構えなど、投資に関するもっとも基本的な姿勢について解説してきました。ここまで読んで分かっていただけたと思いますが、何よりも、相場に対する戦略をしっかり立てることが重要なのです。

相場の基本戦略を作り上げるものは、「損切りと利食いの方針」「投資資金と自分に合ったレバレッジ倍率」「スイングトレードで行くのかデイトレードか」、そして肝心なことは、「いったい、どれだけの間にいくら儲けようとしているのか」です。これらは、取引をする前にはっきりさせておかなくてはならないことばかりです。

こうした個別の要素は、バラバラに考えるのではなく、総合的に考えねばなりません。投資資金がいくらあるかで、おのずと耐えられるリスクが決まってきます。そうすると適正なレバレッジ率がどの程度かが分かり、それに伴って損切りと利食いの幅も決まってきます。いろいろな要素が1本の樹木を形成するように、お互いに関係しているからです。

「さあ、ミニ先物で儲けるぞ!」と意気込んでいる人も、まず実際の投資に入る前に、ひと呼吸おいて自分の戦略をしっかり立てるようにしましょう。

11.成長と終焉を繰り返す相場

増田足チャートの強力な武器の1つが、6色パターン(6色帯)です。6色パターンは、増田足の法則によって、チャートの波動の状況を段階別に色分けしたものです。

増田足は3種類の足(3本、25本、75本)によって構成され、お互いの位置関係、交差が相場にとって重要な情報を提供してくれます。

6色パターンは、3種類の足の位置関係を6つに分類したものです。相場で一番成熟した状況は、増田足では上から順に短期、中期、長期と並んでいる状況で、つまり3本、25本、75本の順になっている状態です。この状態をBパターンとして、緑で表示します。

逆に、最も沈静状態にあるのは、上から75本、25本、3本となっている状態で、これらをEパターンとして黒で表示しています。

Eパターンから相場が上昇する場合、3本足が25本足を上抜き(Fパターン・白)、次に3本足が75本足も上抜き(Aパターン・黄)、さらに25本足が75本足を上抜いてBパターンになります。

ここから相場が崩れると、まず3本足が25本足を下抜きます(Cパターン・赤)。続いて、3本足が75本足を下抜き(Dパターン・青)、最後に25本足も75本足を下抜いてEパターンに戻るのです。

このように、相場の成長と終焉を6つの波動を色で区分け、ひと目で分かるように表したのが6色パターンです。

12.日経225構成銘柄の分布状況をつかむ

相場の波動の状態をひと目で分かるようにしたのが6色パターンですが、これを応用し、「ミニ先物」投資の力強い羅針盤となるのが、6色分布です。

6色分布は、日経平均株価やTOPIX構成銘柄が、6色パターンのどの状態にあるかをすべて6色で表したものです。

「ミニ先物」の対象となる日経平均株価は、225銘柄の株価平均をもとに算出した日本の株式市場を代表する指標ですが、構成銘柄がすべて同じような動きをするとは限りません。

日経平均株価が上がっていても、下げている銘柄というものは常に存在します。特に日経平均株価は値がさ株(株価の高い銘柄)によって左右されやすい性質があるので、下げている構成銘柄が多いのに値がさ株と日経平均株価は上がっている、といったこともしばしば起こります。

つまり、日経平均株価の動きだけを見ていても本当の姿は見えないのですが、6色分布をひと目見れば、その問題も解決します。

右ページのチャートの赤枠の中を見てください。日経平均株価は高値圏を保っていますが、徐々に弱い状態を示す黒のEパターンが拡大しているのが分かります。すでに、下落する予兆が現れていたわけです。

13.重要なのは相場の方向性を知ること

相場の節目で、増田足やローソク足は、その形やパターン、色によっていろいろなヒントを投げかけてくれます。それを正確に読み取ることができれば、投資の成功率をアップさせることができるはずです。しかし、実際にはなかなか難しいのが現実です。

ローソク足のパターンは非常に多く、すべてを正確に覚えるのはかなりの労苦を伴いますし、似たようなパターンでありながら、実はその指し示すものはまったく逆といったようなケースもあります。

じっくり考えれば読み取ることができる人でも、1分1秒を争うデイトレードでは、その余裕すら持てないこともあるでしょう。

増田足のソフトには、「天底アナライザー」という機能があります。そうしたパターン解析のための労力を省くために、相場の方向性を示してくれるのが、この「天底アナライザー」なのです。

14.値動きを先読みすることの重要性

もう1つ、増田足のソフトには、「未来の窓」=「四次元(予測足)チャート」という機能がついています。この「未来の窓」は、先読み罫線を」可視化したものです。すなわち、過去の相場の動きを総合的に判断して、これから相場がどのような展開を見せるのかをはっきりと示します。

右ページのチャートの灰色で囲まれた部分が「四次元(予測足)チャート」で、増田足の先々の動きを先読みしています。ただ、勘違いしていただきたくないのは、この「四次元(予測足)チャート」が、これからの株価の動きを100%当てる魔法の道具ではないということです。

しかし、この先のトレンドはどうなるかをはっきり指し示しているため、実際の投資に迷いが生じた時などにはとても役立ちます。

次の日の相場展開によって、「四次元(予測足)チャート」の形状はどんどん変化していきます。それを見ることによって、現時点での予測に確信を持てるわけです。

将来の相場の行方を示すことで、投資家が明日の相場を予想する時の指針となってくれるのが、「四次元(予測足)チャート」の役割です。

15.「10円、20円」の細かい値幅を着実に取る方法

デイトレードで10円、20円といった細かい値幅を取ろうとする時、力強い味方になってくれるのが、「天眼鏡」という機能です。

天眼鏡は、1分足チャートを見やすきするためにしたものです。パソコン画面一杯に拡大して見ることができるため、瞬時の値動きにもついていくことができます。

ただ、デイトレードだからといって、いつも1分足だけを見ていればいいというものではありません。5分足や15分足、30分足や日足をともにチェックすることによって、大きな流れをつかむことも大切です。

そうしないと、目先の動きにとらわれすぎて、「木を見て森を見ず」となり、相場観のバランスが崩れてしまいます。そんな時に、例えば15分足を見ながら、同時に1分足もチェックすることができれば、比較的大きな動きと超目先的な株価変動をバランスよく、的確に判断することができるはずです。

天眼鏡は、そのようなニーズに応えた機能です。パソコン画面の天眼鏡というボタンをクリックするだけで、苦もなく2種類のチャートを同時に表示させることができるのです。

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