増田徳太郎の投資哲学

第5章 日経225「ミニ先物」トレードの基本

1.新規の注文と返済注文の違いに注意する

「ミニ先物」は現物株の取引とは異なり、買いだけでなく売りから入ることもできます。現物株の取引しか経験のない人には少し違和感があるかもしれませんが、これが先物取引の大きな特長のひとつです。買いからも売りからも取引を始めることができるわけですから、注文の方法も現物株の場合とは異なります。

まず、買いから入る場合ですが、これは現物株と同じです。「ミニ先物」を買い建ててから取引を終了させる場合は、買った枚数を売る(決済する)ことで取引を終了します。これを「転売」といいます。

一方、売りから入る場合、取引を終了させるためには売り建てた「ミニ先物」を買い戻さなければなりません。これが「買戻し」=「売り手仕舞い」です。ちなみに、買い建てた「ミニ先物」は「買い建て玉」「買いポジション」、売り建てた「ミニ先物」は「売り建て玉」「売りポジション」などと呼ばれます。

例えば、買い建てをしているときに転売ではなく新規の売り注文を出してしまうと、買いと売りが両方建っている「両建て」状態となって手仕舞うことができません。買いを手仕舞うときは転売、売り建てを手仕舞うときは買戻しが必要になるのです。

2.レバレッジ効果のメリットと怖さ

先物取引で最も関心を集めるのは、そのレバレッジ効果でしょう。レバレッジとは、「テコ」という意味です。つまり、小さな資金で大きな取引ができ、その結果、現物株取引よりもはるかに大きな利益率を得られるチャンスがあるということです。当然、その半面、損失をこうむった場合は、投資額に対する損失率も大きくなってしまうという両面があります。

例えば、「ミニ先物」を1枚買う場合の必要証拠金が3万6000円だとします。このとき、価格1万円で1枚買い、1万100円で決済した場合の利益は1万円になります(利幅100円×100倍)。利益の金額は1万円に過ぎませんが、証拠金3万6000円に対する利益率は約28%(1万円÷3万6000円=28%)にまで拡大します。これがレバレッジ効果のメリットです。

しかし、価格が想定と逆になった場合(買い建ての場合は下落、売り建ての場合は上昇)、レバレッジ効果はそのまま逆に働きます。右の例で考えると、価格が100円下落した場合の損失率も28%になるわけです。

3.日経225「ミニ」と「ラージ」の違いは?

「ミニ先物」がスタートしたのは2006年の7月ですが、日経平均株価をベースにした先物には、このほかに「ラージ」と呼ばれるものもあります。こちらのほうが本家本元で、「ミニ先物」ができる以前からありました。

ミニもラージも日経平均株価を対象とした先物で、基本的な性質は変わりませんが、大きく異なるのは投資資金の大きさです。「ミニ先物」は日経平均株価の100倍から取引できる先物ですが、ラージはその呼び名のとおりミニよりも10倍大きく、日経平均株価の1000倍が最小の取引単位です。

日経平均が1万円であれば、ミニは1枚当たり約100万円程度の取引になるのに対し、ラージは1000万円となります。取引金額に対する証拠金の割合はミニもラージも同じなので、ミニの必要証拠金が3万6000円なら、ラージは36万円となります。

このため、ラージは利益も大きい代わりに失敗した場合の損失も大きくなりますので、一般の個人投資家で手を出す人は限られています。また、相場変動の最小単位(呼値)がラージは10円なのに対し、ミニは5円刻みなので、それだけ値がつきやすく、取引機会が多いというのもミニのメリットです。

4.何より大事なリターンとリスクのコントロール

「ミニ先物」への投資は、何よりもリターンとリスクのコントロールが重要です。最小限の証拠金で取引すれば、投資額に対するリターンは大きくなりますが、少し先物価格が逆方向に動くだけでダメージは非常に大きくなります。

一方、証拠金が大きければ、今度はたとえ相場で当てても、投資額に対する利益率は小さくなってしまいます。時価9900円の「ミニ先物」を1枚買うのに証拠金を100万円入金しておけば、基本的にはあり得ないことですが、仮に価格がゼロ円になっても追証は発生しません(証拠金100万円-評価損失99万円=証拠金残高1万円)。

ただ、損失額が証拠金を上回ると追証が発生しますので、常に注意しなければなりません。

また、証拠金の金額によってリターンとリスクの大きさが変わってきます。「投資に使える余裕資金はいくらか」という観点で考えることはとても重要ですが、投資効率との兼ね合いも考慮に入れる必要があります。

5.「ミニ先物」は短期投資が基本

株式投資には、いろいろなスタンスの投資方法があります。「長期か短期か、あるいは中期か」という投資期間による投資方法の区別は、投資家にとって気になるところです。

個々の投資家が株式投資に何を求めるのか、それぞれの置かれた環境や投資資金額、さらには性格など、いろいろな要素によって採用する投資方法・投資期間は変わってくるので、一概に「長期がいい」とか「短期がいい」ということはいえません。

しかし、こと「ミニ先物」に関していえば、短期投資が中心になるでしょう。「ミニ先物」の投資期間は実質的に3カ月しかないからです。もちろん、SQ日が到来すれば、ポジションを手仕舞って次の限月に乗り換えることも可能です。

しかし、これは多くの所有銘柄を抱えて、そのリスクヘッジをするために先物を使う機関投資家などが使う投資方法で、「ミニ先物」それ自体で利益を追う個人投資家に向いているとは思えません。

また、現物株投資よりも大きなリスクがあることも、投資期間を短くしたほうがいい理由のひとつです。長期になればそれだけ変動する幅が大きくなり、より多くの証拠金を積まなければならなくなります。臨機応変に動ける短期投資の姿勢が最適といえるでしょう。

6.テクニカル分析は2つに分類される

ここからは、テクニカル分析についての解説をします。まず、テクニカル分析の種類ですが、その数は非常に多く、限られた紙面ですべて解説することはできません。分析方法の種類を知ることより重要なのは、本当に「使える」方法を見つけて、その使い方に習熟することです。

とはいっても、どのような方法が自分に合っているのかは、すぐには分かりません。分析方法にも長短がありますが、見分け方のヒントとして、テクニカル分析は大きく2つに分類されるということを知っておいてください。

まずひとつは、「トレンド系」と呼ばれるものです。これは分析数値の変化などによって現在の流れが上に向いているのか、下に向いているのか、また、どこで流れが変化するのかなどを教えてくれる指標で、ローソク足や移動平均線などがその代表です。

一方、現在の株価の位置が高すぎるのか、安すぎるのかを見るのに便利な指標が「オシレーター系」指標で、ストキャスティクス、RSI、RCIなどがあります。

ただし、オシレーター系であってもトレンド系として、またトレンド系であってもオシレーター系として利用する応用方法などもあり、柔軟に使い分けることが重要です。

7.1本のローソク足が持つ深い意味

ふだん皆さんが見慣れているチャートは、おそらく白と黒(ネット証券のソフトなどには好みの色に変えられるものもあります)で描かれたローソク足チャートでしょう。

ローソク足は日本で生まれたものですが、非常に見やすいだけでなく、足の1つひとつに大きな意味があります。その解釈方法は高度に洗練され、非常に奥が深いものですが、基本をつかめば実戦でもかなり使えるでしょう。

ローソク足は白い陽線と黒の陰線(実体)部分、その上下についた影(ヒゲ)によって構成されます。まず、実体部分はその方向の強さを示していると覚えてください。

つまり、陽線の実体部分は強い上昇力、陰線の実体部分は強い下降力を表します。ですから、上下に影のない陽線(陽の丸坊主)や陰線(陰の丸坊主)は、実体部分が長ければ長いほど、その方向へ向かう力が強いことを示しているのです。

逆に影がつくと、実体部分の力を減少させる効果があります。影が長ければ長いほど、逆の効果は大きくなります。例えば、右ページの図の上影陽線は陽線ではありますが、上影が長く上昇力を減退させるので、下降を示唆するシグナルとなるのです。

8.複数のローソク足も合成するとよく分かる

ローソク足は1本の足だけで2本、3本、さらに数本の足の組み合わせで相場を読むことができます。日本では、古くからローソク足のパターン分析が非常に発達し、その効力も高く評価されています。

しかし、数本のローソク足の組み合わせとなると非常にパターンが多く、よほど慣れていなければすべてのパターンを覚えることは、とてもできません。ただ、コツをつかめばローソク足の組み合わせの意味することが、かなり理解できることも確かです。

1つの方法は、ローソク足を合成してしまうことです。例えば、左ページの「弱気の抱き線パターン」を見てください。短い陽線と、その高安を包む長さの陰線の2本で形成されたパターンです。これを左の足の始値、右の足の終値と2本分の高値、安値の4本値を取ることで、1本のローソク足を合成することができます。

その結果は、上に長い影をつけた陰線になるわけですが、これは下げ圧力の強さを示す足となります。このように1本ずつでは分からなかった性質が、2本を合成することによって明確になるのです。

9.実際の相場でローソク足の分析をしてみる

ローソク足はトレンドの強弱や変化を先き取るのに有効ですが、パターンが非常に多くて分析が複雑になり、難しくなることも確かです。ローソク足のすべてを知るよりも、得意なパターンをいくつか覚えて、それを相場に応用するという姿勢がいいかもしれません。

右図①は高値圏の膠着したところで、最後に上影陽線が出現しました。その1本前では、実体部分の長い陰線も出現しており、上に行く力の限界を感じさせるパターンです。結局、この上影陰線が一段安のサインとなりました。

右図②は中段で下げ渋ったところで出たパターンです。小反発はしているものの、陰線が続いており、勢いの弱さが明白です。反発したところでもローソク足は短く、あまり期待はできません。最後の陰線で、4日間のもみ合いを下抜けた形となり、そのまま窓をあけての急落となりました。

右図③は高値圏で出た下影陽線です。いったん崩れると思われましたが、この足が売りにはまだ早いことを示唆し、再度高値をマークしています。

10.トレンドラインを引いて相場のゆくえを知る

重要なテクニカル分析方法の1つに、トレンドラインというものがあります。その名のとおり、トレンド=基調を示すラインで、これは相場の方向性を示すほか、相場の大きな節目ともなるラインです。

トレンドラインの引き方の基本は、上昇局面では調整局面の下値同士を結び、下降局面では調整場面の上値同士を結びます。上昇局面で上値同士を結んだり、下降局面で下値同士を結んではいけません。

下値同士を結んだ上昇トレンドラインが形成できるということは、相場が上昇基調にあることを示し、逆に上値同士を結ぶ下降トレンドラインが引けるということは、その相場が下降局面にあることを示しています。

また、価格が上昇トレンドを割り込んだら、上昇基調が崩れ始めていることを示し、下降トレンドラインを上回れば、反転上昇の兆しがあることを示しています。

トレンドラインは目先の上げや下げのメドともなります。例えば、上昇中に崩れてもトレンドライン近辺では下げ止まる可能性が高く、買いのポイントになります。

11.移動平均かい離で相場の行き過ぎを知る

移動平均線の応用の仕方にはさまざまな方法がありますが、その1つに移動平均かい離があります。 移動平均線が上昇していても、株価がそこから大きく上に離れていると、上昇トレンドによる力よりも、相場の行き過ぎから調整するケースがよくあります。移動平均線が下降している場合でも同じです。つまり、株価が移動平均線からどれくらい離れているかによって、当面、株価の調整があるかどうかを推測することができるわけです。

移動平均かい離は、相場の行き過ぎを判別するオシレーター系指標です。かい離率のプラス・マイナス幅が小さければ上下への調整の力は弱く、かい離率が大きいと、それだけ調整圧力が強いことになります。たとえば、マイナスかい離が大きければ上昇の可能性が、プラスのかい離が大きいと下げの可能性が強まっていると見るわけです。

移動平均かい離については一般的なメドがあり、概ね5日移動平均線に対してプラス・マイナス10%以上になると過熱といわれますが、これは移動平均線の期間の取り方によっても変わってきます。

12.人気の高いストキャスティクス

オシレーター系指標のなかでも、とくに人気が高いのがストキャスティクスとRSI(相対力指数)といわれています。ここではまず、ストキャスティクスについて解説します。

ストキャスティクスは、現在の株価が一定期間の高低の範囲内でどのくらいの位置にあるかを示す指標です。他の指標を見ても、ほとんどが終値をベースにしているのに対し、高値、安値も考慮しているところが特徴といえるでしょう。

一定期間(通常は9日間を基準とします)の高安の範囲のなかで、現在値が上のほうにあれば上げ過ぎ、下のほうであれば下げ過ぎと判断できます。ストキャスティクスはそれを0%から100%の数値にして示すもので、これを「%K」とします。一般的に、「%K」が30%以下なら下げ過ぎ、70%以上なら上げ過ぎと判断します。

ただし、ストキャスティクスの欠点は上下に動くので、買いサインや売りサインが出過ぎるというところがあります。これを修正するために、基本の「%K」をよりなだらかにした「%D」、さらに「%D」の移動平均である「%SD」(スローD)を加えて、ダマシを出しにくくしています。

13.上昇・下落の相対関係から相場を読むRSI

ストキャスティクスと並んで人気の高いオシレーター系指標が、RSIです。RSIは「相対力」という言葉そのままに、上昇する力と下落する力の相対的な関係を明らかにして、現在の価格が高過ぎるのか、安過ぎるのかを示す指標です。

具体的には、一定期間の終値の上昇幅と下落幅から計算します。一定期間(通常は14日基準をとることが多いようです)の前日比上昇幅の合計と下落幅の合計を出し、上昇幅合計を「上昇幅の合計+下落幅の合計」で割ったものを%で表したものがRSIとなります。

RSIも0%から100%の間を動きます。30%以上が買いサイン、70%以上を売りサインとするのが一応のメドです。

RSIにもストキャスティクスにも共通していえることですが、オシレーター系指標は強い上昇や下落トレンドのときに上限、下限に張りついてしまい、正しいシグナルを発しなくなるという欠点があります。

これに対応するには、価格が上がっているのにRSIが下降・横ばい、または価格が下落しているのにRSIが上昇・横ばいとなっているときには強いトレンドがあると判断して、RSIの売買シグナルを使わないことです。

14.ボラティリティに関係なく使えるボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、価格の「散らばり」を見ることによって、相場の方向を予測する指標です。ボリンジャーバンドも、移動平均かい離などと同じく、移動平均線を応用した分析方法です。

移動平均かい離は、相場がどんなに荒れていても、移動平均線とのかい離率にはそのことが現れません。しかし、ボリンジャーバンドは、「散らばり」の概念を使うことによって、ボラティリティ(相場変動率)の高い場合にも、低い場合にも対応できるのが特徴です。

具体的には、移動平均線に対する「標準偏差」という統計手法で計算します。標準偏差については詳しく解説しませんが、目安として移動平均に対して±1標準偏差(σ=シグマ)の範囲には移動平均期間の価格の68・27%(約3分の2強)が、±2標準偏差の間には95・45%の価格が含まれることになっています。

つまり、仮にその日の価格がボリンジャーバンドの+1σの付近にあれば、過熱感はややあってもまだ上げ余地はあり、+2σ付近にくれば過熱感がかなり高まっているため、下げに転じるというシグナルになるわけです。

15.デイトレードのメリットとデメリット

デイトレードと聞くと、「1日に何度も取引するのだから、リスクが大きいのでは」と考えがちですが、実際には取引を短時間にするほうが投資のリスクは低くなるので、比較すればデイトレードのほうが安全といえます。

これは1時間と1日のどちらのほうが株価は大きく動くのか、少し考えていただければ理解できるでしょう。これは取引のリスクをしっかりコントロールできての上のことですが、デイトレードでは自分のポジションを長時間、市場のリスクにさらさなくてもいいのです。また、良くても悪くてもすぐに結果が出るので、心理的にむしろ楽という側面もあるようです。

しかし、デイトレードは1つひとつの取引リスクが限られているというメリットの代わりに、1回ごとの売買であげられる利幅は薄くならざるを得ません。一気に100円以上の利幅を狙うのではなく、5~30円の利幅を大きくすることを狙います。

デイトレードは当然、売買回数が多くなりますから、取引手数料も大きくなります。そのあたりのコスト管理も重要になります。また、基本的にはパソコンに張りついて相場をウォッチし続ける必要があるので、場中に時間のない人には不向きです。

16.MACDを使ってスイングトレードに挑戦!

実際の取引に、テクニカル分析をどのように使ったらいいのでしょうか。理論と実践は違うとよくいわれますが、そこは場数を踏むことで乗り越えられるはずです。物は試し、勇気を持って乗り出してみることです。

まず、トレンド系指標の1つであるMACDでスイングトレードを試してみましょう。左ページのチャートは、「ミニ先物」の日足です。ここでは、MACDがさまざまなヒントを出してくれています。

①は下げトレンドが続いたところで、MACDのヒストグラムがマイナスのボトムから増加に転じたところです。ここは売りを手仕舞うポイントです。②でMACDとシグナルがゴールデンクロス。そろそろ買いを用意するところで、③のMACDがプラスになったところでは買っていいところでしょう。

④ではシグナルもプラス圏に入って上昇が加速しますが、⑤でMACDはシグナルをデッドクロス。このようなときは、買い手仕舞いを考えましょう。⑥でMACDはマイナス圏に入り、買い手仕舞いします。ここでは、新規売りを考えてもいいところです。⑦は反発したピークで、ヒストグラムがピークから減少へ向かうところ。再び、買い手仕舞いの局面です。

17.デイトレードでも日足に目配りが必要

デイトレードで必須のチャートは、何といっても日中足です。つまり、1日の動きを分ごとに表示してくれるチャートです。今では証券会社のソフトでも見ることができますが、デイトレードでの使い方にはコツがあります。

デイトレードだと、どうしてもより細かい価格の動きが気になります。このため、できるだけ短い間隔の足ということで、1分足や3分足を見たい心理が働きます。実際に注文するタイミングを測るときには、1分足などで行なうこともいいと思いますが、その前に相場の流れをしっかり把握しておかなければなりません。

そのような場合、1分足だけでは動きが細かすぎて、大局の流れを見失ってしまうことがあります。まさに、「木を見て森を見ず」です。そうなってしまっては、儲けることは、難しくなります。

たとえデイトレードであっても、流れをつかむために、少し長めの10分足や30分足、さらに日足でここ数日間の相場の方向性を確かめることが重要です。1分足で順調に上昇していても、日足では重要な移動平均線を下回っていて、目先に強い上値抵抗が存在するといったことも十分あるからです。

18.デイトレードで「相場力」を磨く

デイトレードのもう1ついいところは、これを利用しながら場数を踏み、スイングトレードでも通じる腕を磨けることです。腕試しをするには、損失を限定させたデイトレードは最適の環境にあります。

最近は、実際に資金を投じないシミュレーション・サービスも、いろいろな証券会社で用意されています。しかし、少しは実際の資金を投じて相場独特の緊張感を味わわなければ、本当の力は身につかないものです。

デイトレードが実践力を磨くために適しているというのは、リスクが比較的小さいことです。前にも解説しましたが、1日という短い時間のなかで、常に相場状況をチェックしながら行なうデイトレードは、ギャップアップやギャップダウンによる大きな価格変動の危険性が小さく、ヤラレても損失を最小限度にとどめることができます。

しかも、「ミニ先物」や信用取引のできる方なら証拠金がある限り、1日に何度でも売り買いができます。相場のさまざまなシチュエーションが短期間に経験できれば、トレードの技量をいち早くアップさせることができるのです。

「ミニ先物」なら、まず1枚単位で、5~20円の利幅を取るところから始めてはいかがでしょうか。

19.ボリンジャーバンドを使ったデイトレード

デイトレードで使う分足のチャートでも、さまざまなテクニカル指標が日足と同じように使えると考えてかまいません。

ではここで、ボリンジャーバンドを使ったデイトレードを考えてみましょう。もちろん、ボリンジャーバンドだけが有効だというのではありません。その他の指標を使って、それぞれの有効性を試してみることをお勧めします。

右図①の局面では、5分足がマイナス1σを上抜きましたので、買いを入れてみます。その後、上昇は伸び悩みとなりますが、下値が底堅く、②の局面で移動平均線、プラス1σを上抜きました。

その後はプラス2σに沿ってジリ高となる展開ですが、価格がボリンジャーバンドを押し広げていく形になっており、まだ売りを出すタイミングではありません。③の局面で、プラス2σを大きく上放れたところが売りのポイントです。

20.移動平均線をベースに考案された増田足

さてここからは、本書で使用する「増田足チャート」について解説したいと思います。ここまで、さまざまなテクニカル指標の分析方法を学んできましたが、その特性を理解すれば「増田足」も強力なテクニカル指標になり得ます。

といっても、特に難しいわけでも、秘密のベールに包まれているわけでもありません。増田足は移動平均線分析をベースに、コペルニクス的な発想の転換によって生まれた方法で、移動平均を理解していただければ、すぐにその原理が分かっていただけると思います。

増田足は右図のチャートを見れば分かるように、ピンクとブルーの足からなるチャートです。しかし、それだけではなく、相場の状態の変化をいち早く教えてくれる「6色帯」、相場の転換点を刻々と文章で解説してくれる「天底アナライザー」など、数多くの機能を搭載した相場分析ソフトです。

増田足のチャートソフトは、相場で儲けるために開発されたものです。増田足とはどのような原理で描かれるのか、次項で解説しますのでぜひ理解して下さい。

21.ピンクとブルーの足の意味

移動平均線による分析は、非常に効果のある方法です。しかし、時に間違ったシグナルを発する、いわゆる「ダマシ」も少なくありません。

増田足の特徴の1つは、移動平均線をベースとしつつ、移動平均線につきものであるダマシのワナを極力排除したところにあります。増田足の基本となる3本足の算出方法は、以下のとおりです。

まず、3日間の終値の平均を取ります。次に、1日後にずらした3日間の平均を取り、2つの平均値で足を形成します。最初の3日間平均値が次の3日間平均値よりも低い状態、つまり、3日平均値が下がっている状態をブルーの足で表示します。

一見したところ、イメージ的にはローソク足の陽線や陰線と似ていますが、増田足は4日間の価格変動をピンクとブルーの足に置き換えて、より分かりやすく相場の先を読むために考案されたものなのです。

22.色の転換と3本の線のクロスに注目

前項では、増田足の基本となる3日足について解説しましたが、3日足に25日足と75日足を加えた3本の組み合わせが重要な意味を持っています。増田足で相場のトレンド転換を見る第一のポイントは、3日足の色(ピンクとブルー)にあります。

3日足がブルーからピンクに、ピンクからブルーに変化するポイントは、最も重要なところです。この3日足に、さらに25日足、75日足の2つを加えることによって、移動平均線のクロスに似た相場分析の効果が得られるのです。

移動平均線の分析と同じように、3日足が25日足を上抜くゴールデンクロス、下抜くデッドクロスが大きなトレンド転換のシグナルになります。同じように、25日足と75日足、3日足と75日足の組み合わせも重要なトレンド転換のポイントです。

また、3日、25日、75日における増田足の、その時々の位置関係によって、相場が今どのステージにあり、どのくらいの完熟度にあるかを測ることも可能です。

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