増田徳太郎の投資哲学

第2章 トレンド転換を色で判断する「増田足」

1.誰もが理解できる分析方法はないか

増田足は、私が半生をかけて作り上げたチャート分析方法です。そして、現在も常に進化を求めて改良を重ねているものです。

こう言いますと、何か非常に難しい理論がベースになっているのではと思われるかもしれませんが、その構造はいたってシンプルです。第1章で説明しましたように、ベースになっているのは移動平均線の考え方です。

従来からある一般的な移動平均線だけでは何が足りないかを考え、さらに、誰でも理解してもらえるようにできる限り分かりやすく、そして見やすくしたものが「増田足チャート」です。

第2章では、増田足の仕組みとその使い方について、実例をもとに解説していきたいと思います。まずは第1歩として、次項から増田足の計算方法と基本的な見方についてご説明しましょう。

パソコンを使えば、エクセルなどですぐ計算できますが、パソコンを使わなくても電卓さえあれば十分に理解できる内容ですので、ご安心ください。

2.増田足は3日間の終値平均をもとに描かれる

増田足の基本形は、「3日足」にあります。なお、ここからは断りのない限り、日足をベースに話を進めます。

まず、増田足の計算方法から説明しますと、最初に3日間の終値平均を算出し、次に翌日から3日間の終値平均を出して、その2つの3日平均で足をつくります。

例えば、最初の3日間の終値平均が100円、次の3日間の平均が110円なら、図①のようにピンクの色の足になります。一方、最初の3日平均が100円で次の3日平均が90円なら、図②のようにブルーの色の足になります。

つまり、ピンクの色の足はローソク足で言うところの陽線を、ブルーの足は陰線を表していると考えてください。その後は、次々に3日平均を計算して、ピンクまたはブルーの足を描き足していくだけです。要するに、増田足を1本描くためには最低4日間のデータが必要になります。

普通のチャート上に3日移動平均線を描くのと似ていますが、増田足ではこれを足の形にしたわけです。このためローソク足のようにヒゲはありません。

3.ピンクの足は株価の上昇、ブルーの足は下降を表す

実際の株価の変動を増田足で描いていくと、上昇局面ではピンクの足が連続し、下降局面ではブルーの足が連続することが分かります。このことから、単純にピンクの足は強気、ブルーは弱気を示していると考えていただいていいでしょう。

増田足の基本中の基本は、足がピンクからブルーに、ブルーからピンクに変化するポイントにあります。しかし、これだけではダマシを排除して正確に相場の流れを捉えることは難しいでしょう。

そこで、複数の増田足を使うことによって、より確実に相場の変化を読むことを可能にしました。次の図をご覧ください。上から順に、月足、週足、日足、分足の増田足チャートを表示してあります。

月足は3カ月移動平均線を基本に12カ月足、36カ月足、週足では3週移動平均線を基本に13週足、26週足、そして日足ベースでは、3日足を基本に25日足、75日足の3本の足を表してあります。それぞれ、異なる期間の足の位置関係、傾きや交差が重要な意味を持っています。

4.足の長さによって相場の強弱が分かる

増田足は、ローソク足の考え方も取り入れています。このため、ピンクとブルーの色の変化だけでなく、ほかのいろいろな見方をすることが可能です。

まず、足の長さによって相場の強弱を測ることができます。ピンクでもブルーでも長さの大きい足は短い足に比べて、それだけ上昇する力や下落する力が強いことを示しています。これは、ローソク足の見方と基本的に同じです。

 前にも述べたように、増田足はある期間の3日足移動平均と翌日の平均値でできています。ですから、長い足は傾きが鋭い移動平均線と同じ意味を持っています。 長いピンクの足は急上昇している移動平均線を、長いブルーの足は急降下している移動平均線を表します。

当然、短い「3日増田足」はピンクでもさほど強くない状況を、ブルーでもそれほど弱くはない相場を示します。増田足では、短いピンクとブルーの足を「コマ」と呼んでいます。コマが出たときには要注意です。ピンクの足が続いていても、ピンクのコマが出ると上昇力が弱まり、相場が転換点に近づいていることを示唆します。

5.2本の足の位置と色の変化で売買ポイントを知る

1本ごとの増田足について、色の大きさは非常に重要ですが、それに加えて大切になるのが複数の増田足の位置関係です。移動平均線は短期の線は細かく変動し、長期の線はより穏やかに変動します。これは増田足も同じです。

また、上昇トレンド中は短期の足が長期の足より上に位置し、下降トレンドでは逆に短期の足が長期の足の下に位置することになります。

ですから、短期の足が長期の足を上に抜く局面、または下に抜く局面はトレンドの大きな転換を示すもので非常に重要です。短期の足が長期の足を上抜くゴールデンクロスは買いチャンス、短期の足が長期の足を上から下に抜くデッドクロスは売りチャンスです。

実際の買いポイント、売りポイントは図に示したとおりです。買いの最適ポイントは、長期の足がピンクで短期足がブルーからピンクに変化したところです。一方、売りの最適ポイントは長期足がブルーの状態で、短期足がピンクからブルーに変化したところになります。

6.増田足の基本はトレンド重視の順張り

株式投資の戦略には、大きく分けて2つあります。ひとつは、株価が大幅に下落したところを買う、または急騰したところを売る「逆張り」戦略です。「突っ込み買い」、「噴き値売り」などとも言われます。トレンドに逆行した形で投資するわけです。

もうひとつは、「順張り」です。株価が上昇トレンドにあれば買いから入り、下降トレンドであれば売りから入る方法です。トレンドに逆らわず、流れに乗る投資法です。

増田足は、「順張り」を基本としています。あくまで、トレンドに乗るという戦略に徹しているわけです。前項の図で説明すると、買うのは長期足がピンク色になっていて上昇しているとき、カラ売りをかけるのは長期足がブルーで下降しているときに限られます。

たとえば、前ページの図の真ん中あたり、短期足が長期足を上抜いたところはゴールデンクロスですから、一般的には買いのポイントです。ただし、長期足を見ると、この時点ではまだブルー、つまり下降トレンドのままになっています。慎重を期するなら、本格的な買い出動は長期足がピンクになってからでも遅くはないということです。

7.増田足の実践的な見方(日足編)

増田足の基本中の基本とは、要するにピンクとブルーの足から相場の動きを予測することです。それでは、ここから実際の銘柄の動きに沿って、増田足の見方を実践してみましょう。まずは、日足における見方です。下の図をご覧ください。チャート図の上半分は増田足、下半分は通常のローソク足です。

①のあたりを見ますと、25日足はピンクが続いています。ブルーからピンクに転換した3日足が、それに近づいてきました。ここが第1の買いポイントになります。下のローソク足チャートを見ても、そこから徐々に上昇ピッチが上がってきているのが分かると思います。

その後、3日足は25日足を上方にかい離して上昇したあと、②のポイントではピンクからブルーに変化しました。実際の株価も小幅調整しているところです。その後、25日足に触れようとするところで、3日足がブルーからピンクに変化しました。ここも買い場と見てよく、実際に翌日以降、大幅高を演じています。

③の局面も、3日足が25日足を割り込まなかったため、買いポイントと判断できます。

8.増田足の実践的な見方(週足編)

次は、週足ベースの増田足を見てみましょう。「○」で示したところで、3週足が13週足とゴールデンクロスしています。また、下図のローソク足チャートでも、長い陽線が出現しています。しかし、上抜いた時点ではまだ13週足はブルーのままですので、買い出動はもう少し待ちましょう。

 翌週、3日足は引き続きピンク、そして13週足もピンクに変化しました。ここが買いのポイントになります。その後、増田足も下図のローソク足も上昇を続けます。このポイントでの買いは成功だったことが分かりますが、後から振り返るとやや買いのタイミングが遅れたとは思われませんか。

 それでいいのです。ローソク足チャートでは、1400円を抜いてから1598円まで一気に上昇していますが、それが分かるのは過去のチャートを見ているからなのです。実際には、その時点で買いの判断をすることが難しかったはずです。

増田足は、トレンドが確認できてから買う「順張り」を基本にしているので、若干タイミングが遅れることもありますが、より確実に利益を上げることが可能となります。

9.増田足の実践的な見方(分足編)

次に、分足(5分足)のケースを検証してみたいと思います。

デイトレでは、売買タイミングと売り買いの切り替えを、より慎重に行なわなければなりません。まず、図の①を見てください。短期の3本足が25日足を下回っています。

しかし、25日足はピンクからブルーに変化し、売り戦略への転換を指示しています。ですから、ここでは買わずに、その先でのカラ売りのタイミングを測ります。

②では3本足が25日足を上抜きますが、すでに25日足はブルーの下げ基調となっています。そこで、3本足がブルーに変化したところでカラ売りを仕掛けます。その後、3本足は25日足を下抜き(デッドクロス)、さらに下げを加速させていきました。

ローソク足チャートを見ると、高値1268円から安値1234円まで1時間半ほどで急落しています。ただし、実際問題として1234円の最安値で買い戻せるとは考えないでください。

増田足では、③ではっきりしたピンクの足が出たところが買い戻し(利食い)のポイントとなります。次の5分で買い戻せば、20円幅の利益を上げられたはずです。

10.トレンドの転換点を正確に示唆する影足

増田足には、ローソク足のヒゲの役割を果たしてくれるものがあります。それが「影足」です。影足は、増田足から当日終値までを矢印で引いたものです。これによって、トレンドと相場の転換点をより正確に知ることができます。

 増田足の読み方は、ローソク足のパターン分析に似ています。複数のローソク足の組み合わせによって相場の方向性を探るのが、ローソク足のパターンです。その組み合わせは非常に多くの種類がありますが、影足には3種類しかありません。「はらみ」と「反転」、そして「切り返し」だけです。

「はらみ」とは、2本目以降の「増田足+影足」が1本目の範囲から出られず、「もみ合い」となった状態を示します。これが出ると、トレンドが変化するサインとなります。

「反転」は、上昇局面においてブルーの影足が下に伸び、前日のピンクの足の範囲を「下に突き破る」現象です。上昇から下降への転換を示唆します。

「切り返し」は、「反転」とは逆に下降トレンドにおいて、ピンクの影足が前日のブルーの足の範囲を上に突き破るもので、下降から上昇への転換を示唆します。

11.影足が教える買い時と売り時

それでは、影足の見方を個別銘柄で検証してみましょう。下図は、日揮(1963)の日足チャートです。08年の4月から6月にかけて1000円近く上げましたが、この上昇相場で「影足」はどのような状態だったでしょうか。

まず、①の部分を見てください。ここは上昇の初期段階ですが、買いの決め手となる影足が出現しています。よく見ると、影足が切り返して、もみ合いを突き破った形となっています。さらに、影足は25日足をも上抜き、ゴールデンクロスの形となりました。これを見れば、文句なしの買い場と判断できるでしょう。

②の部分は、上昇トレンドがしばらく停滞した状況を表しています。前日に出たピンクの長い影足に対して、実体部分も小さい影足が「はらみ」の形となっており、その翌日にはブルーに転換しています。ただ、それも大きく反転したわけではなりませんから、引き続き強気姿勢を維持すべきところです。

③の部分は、典型的な下降転換のパターンです。増田足は高値圏でブルーに変化し、影足は数日前の上昇波動を一気に突き破る、「反転」を示しています。

12.トレンドが不明確でも影足を見れば迷わない

影足は3日足のような短期的な足だけではなく、中期足(25日、13週、12月)、長期足(75日足、26週、36月)にも対応しています。右図は、その影足を3日足、25日足、75日足についてすべて表示させたものです。

このチャートでも、「はらみ」「反転」「切り返し」というトレンド転換のポイントを知ることは可能ですが、それ以上にパッと見たときの印象が違うとは思いませんか。

もみ合い相場の場合、増田足だけではピンクとブルーが交互に出現するため、トレンドを判断しにくい場合もありますが、これに影足をつけると一目瞭然です。
ブルーの影足でおおわれている範囲は下降トレンドの領域(ゾーン)を、ピンクの影足でおおわれている範囲は上昇トレンドの領域(ゾーン)にあることがはっきりと分かります。

基本的な戦略を「買い」にするのか「売り」にするのかは、最初の選択として非常に重要ですが、影足を見ればさほど迷うことはないでしょう。全般的にブルーになっているときは、基本的に「売り」から入る戦略、ピンクのときは「買い」から入る戦略と割り切ればいいのです。

13.影足の買いパターン(日足ベース)を検証する

次に、日足ベースで影足の使い方を考えてみましょう。右図は、東急不動産(8815)の増田足の日足です。これの3日足に、影足をつけてみました。

まず、①の枠の中を見てください。3日足が小幅上昇した後、伸び悩んで調整しています。25日足を見るとブルーが続いていて、依然として下降トレンドが終わっていないことを示唆しています。

しかし、調整局面の後半では3日足が再びピンクに変化しました。さらに、ブルーの影足が出てから2本の「はらみ」があった後に、ピンクの影足が「切り返し」をしています。ちょうどその時には、25日足もブルーからピンクに変化して、トレンドが上昇へと変わったことも分かります。ここが買いのポイントとなります。

その後は上昇を続けるのですが、②のポイントが利食いを示唆しています。③では比較的大きいピンクの影足が出現した後、2本が「はらみ」となり、その次に大きなブルーの影足が「反転」。ピンクの影足の範囲を下抜けています。影足が示すとおり、相場は上昇トレンドが終焉し、下降トレンドへ変わりました。

14.影足の売りパターン(日足ベース)を検証する

カラ売りを仕掛けるタイミングは、上昇トレンドが終了したと思われる時よりも、下降トレンドに変化して下げが加速する局面が最も適しています。その観点から、売りのポイントを見つけてみましょう。

右図はチノー(6850)の日足です。一番上に位置する増田足の75日足を見て分かるとおり、基本的には長期トレンドにあります。売りのタイミングを、どこかで見つけたいチャートパターンです。

下降トレンドの最中にあっても、中央の枠のあたりで急反発する局面がありました。非常に長いピンクの影足が出現しているのが分かると思いますが、このところにカラ売りのチャンスがあります。

25日足はブルーの下降トレンドがピンクに変わっていますが、3日足は上昇の頂点のところで、「反転」サインが出現しています。その後、最後のピンク影足が1本出たあと、ブルーの影足が「はらみ」の範囲を下抜きました。まもなく25日足もブルーに変わり、以降は下げが加速しました。

15.影足の買いパターン(週足ベース)を検証する

次は、影足を使った週足ベースでの買いポイントを探ってみます。右図の①のところを見てください。下降トレンドが上昇トレンドに変わるときが、はっきり見えています。

まず、安値のところで3週影足が、足の実体部分は小さいながらもピンクに変わり、影足が「切り返し」を見せています。次の影足も、さらに続伸しました。そして、3週足が13週足を上抜くゴールデンクロスを示現すると同時に、13週足がピンクに陽転。まもなく、26週足も陽転しました。ここは安心して買えるところです。

その後、上昇トレンドが続きます。②の部分では13週足、26週足はブルーのままですが、3週影足は「はらみ」が出ました。ここは、いったん利食いを入れるところです。

ここで買いを維持したとしても、③の局面では売るタイミングです。高値圏におけるピンクの影足は小さく、上げの勢力が弱まっていることを示しています。ブルーの影足が「反転」したところが、利食いの最後のチャンスとなります。利食いの根拠としては、3週足が13週足から大きく上にかい離しすぎていることも指摘できます。

16.影足の売りパターン(週足ベース)を検証する

右図の積水ハウス(1928)も週足です。高値圏でのもみ合いから、下降トレンドが明確になったところでカラ売りを仕掛けましょう。

中央の赤い枠の中をよく見てください。3週足の実体部分が小さくて見にくいかもしれませんが、ブルーに変化して「反転」が出現しています。また、ここでは3週足のほか、13週足、26週足が非常に接近した状態で推移しています。移動平均線でいえば、「収れん」している状態です。これはトレンドが変化する前兆として解釈されていますが、増田足でも同じです。

実際にここから13週足、26週足がブルーに陰転し、その後、長い下降トレンドが継続することになります。しかし、増田足を見ていれば、枠で囲んだところの影足が「反転」したところで、「そろそろ売りのチャンス」だと準備をすることができたはずです。

その後の下げトレンドでは、3週足が一番下、その次が13週足、一番上が26週足という最も弱いパターンが続きます。カラ売りで大きな利を得られた局面でした。

17.影足の買いパターン(分足ベース)を検証する

デイトレードでも、影足は一瞬の判断を助ける大きな力になってくれます。右図は、フジ・メディア・ホールディングス(4676)の5分足チャートを、影足で表したものです。

まず、①に注目してください。大きなブルーの3本影足が出た後にブルー、ブルー、ピンク、ピンクと4本が「はらみ」の状態になっています。反発のタイミングを測るところです。

その後、定石どおりにピンクの影足がもみ合いを上抜け、株価は急上昇しました。25日足がブルーのままですから大きな買いは控えたいところですが、①では3本足が25日足を大きく下方かい離していることを考慮すれば、打診買い程度は大丈夫です。

②の局面でも、再び買いのチャンスが巡ってきました。ブルーの影足に対して、ピンクの影足が「切り返し」を見せています。ただ、①の局面に比べるとそれぞれの足は小さく、さほど大きな上昇圧力ではないと考えるべきです。実体部分に比べて長い影足が出たことも、売り圧力が残っていることを匂わせていたかもしれません。

25日足は陽転しましたが、ここでの買いは大きな利益にはつながりませんでした。

18.影足の売りパターン(分足ベース)を検証する

分足の読み方も、日足や週足と基本的には変わりません。ただ、デイトレードでは細かい値幅をとらなければなりません。瞬時の判断で売買タイミングを決めなければならない点に注意してください。

電通(4324)の5分足を見てみましょう。カラ売りの第1ポイントは、①の局面です。その根拠は、ここまで勉強していただいたことで十分ご理解いただけるでしょう。

 25日足はピンクでしたが、①のところのすぐ前で3本足が上から下に抜けるデッドクロスを示現しています。その後、いったん小反発しますが、高値圏で出たブルーの影足が「反転」し、さらに25日足もブルーに陰転しました。

 買い戻しのポイントは、②の局面です。25日足は依然としてブルーのままですが、ブルーの足が1本はらんだ後にピンクへと変わって影足が「切り返し」となりました。次に、大きなピンクの影足が出て反発しています。遅くともとここで買い戻すべきです。

その後、上昇トレンドに転換していますので、②の局面における買い戻しのサインは、決して見逃してはいけないタイミングでした。

19.6色帯とは、いったい何?

ここまでの説明で、増田足と影足についてご理解いただけたでしょうか。よく分からないとおっしゃる方でも、実際にパソコンソフトをお試しいただければ、徐々に理解できるようになるので大丈夫です。

ただ、増田足と影足は株式投資を成功させるための原理原則ともなる必須アイテムですから、以後も折にふれて繰り返し解説するつもりです。

少し話を変えましょう。次に解説するのは「6色帯」という、これも増田足チャート独自の重要機能です。

上昇トレンド、下降トレンドと簡単に言いますが、ひとつの上昇トレンドも、下降から上昇へ転換する上昇の「幼年期」、上昇が加速する「壮年期」、そしてピークに近づきトレンドが終焉する「老年期」と分けることができます。これは下降トレンドも同様です。

買いで入る場合、上昇の幼年期で仕込めばそれだけ大きな値幅を取ることができますが、ここはダマシも多いリスクのある時期です。壮年期に入ったことを見極めてから買って、いつ崩れるか分からない老年期には利食っておくのがベストな戦略です。

20.トレンドパターンを6つの色で正確に判断する

相場で成功するためには、現在のトレンドがどのような状態(段階)にあるのかを理解することです。儲けるためには、チャートを見たときのイメージが大事になります。しかし、実際には非常に難しいのが現実です。

そこで、トレンドが今、どのような状態にあるかをひと目で分かるように表示したのが、「6色帯」と呼ぶ機能です。これは、相場のトレンドを6つの状態に分類し、チャート画面上部に6色の帯で表示したものです。

まず、下降トレンドで一番上が長期足、次に中期足、一番下に短期足が位置するのは最も弱い状態です(Eパターン・黒色表示)。底値が近づくと、まず短期足が中期足を上抜きます(Fパターン・白色表示)。

次に、短期足は長期足も上抜きます(Aパターン・黄色表示)。さらに、中期足が長期足を上抜くと上から順に短期足、中期足、長期足と並ぶパターンができます(Bパターン・緑色表示)。

しかし、この状態はやがて終わりを告げ、まず短期足が中期足の下に入り(Cパターン・赤色表示)、その後長期足も下回ります(Dパターン・青色表示)。そして最後に、中期足が長期足を下抜くと最も弱い状態になります(Eパターン・黒色表示)。

21.6色帯の変化でトレンドが分かる

実際の相場で、6色帯はどのように変化するのでしょうか。個別銘柄をもとに見てみましょう。

右図は、日揮(1963)の週足チャートです。まず、上段の赤枠で囲んだ部分に注目してください。この部分で描かれているのは、08年前半の上昇相場からその後、下降に転じるところまでです。最初は上から26週足、3週足の順で並び下降していたEパターン(黒色表示)でした。そこから3週足が反発、ピンクに変化して13週足、26週足を次々に上抜くのに伴って、6色帯はFパターン(白色表示)、Aパターン(黄色表示)へと変化していきます。

その後、6色帯はBパターン(緑色表示)となって、上から3週足、13週足、26週足の順になる最も強い並びとなりますが、ここが天井となります。

一連の上昇はここで終わり、高値調整となりました。BパターンはやがてCパターン(赤色表示)、Dパターン(青色表示)と変化し、最後にEパターン(黒色表示)に変わるとともに、下げ足が加速しました。

22.6色帯がめまぐるしく変化するパターン(日足ベース)

右図の東亜道路工業(1882)の日足チャートでは、①のあたりから上昇トレンドが始まったことが分かります。日足の6色帯と、増田足の両方を交互に見てください。

①では、白色部分のFパターンから3日足が75日足を上抜き、黄色部分のAパターンに入りました。ここが、第1弾の買いを入れるところになります。気になるのは、75日足が下向きのブルーのままだということです。そのため、ここでの上昇は大きなものにならずに、3日足は75日足に引き寄せられる形で反落しました。

しかし、この後②にかけて75日足はフラットになり、ブルーとピンクが交互に出現するもみ合い状態を維持し、3日足は急騰します。そのまま75日足が上昇トレンドに入ってくれれば、さらに大きな上昇も期待できたのでしょうが、75日足は上向かず期待はずれに終わります。

③では75日足がピンクですが、3日足、25日足と接近し、6色帯はめまぐるしく変化してなかなかトレンドが定まりません。新たな買いは見送るパターンでしょう。

23.下降トレンドに突入する6色帯のパターン(日足ベース)

今度は、下降トレンドが生まれるタイミングを、6色帯で見てみましょう。右図は、ダイニック(3551)の日足チャートです。①の部分は、典型的な高値もち合いの局面です。

6色帯を見ると、ここではCパターン(赤色)、Bパターン(緑色)、Dパターン(青色)がめまぐるしく入れ替わって出現しています。25日足がそれを縫うように動くという気迷い状態ですから、ここはトレンドがはっきりするまで待つべきところです。

やがて、25日足に続いて75日足もブルーとなり、徐々に下降トレンドがはっきりしてきました。②の最初のところで、いったん戻った3日足が再度25日足を下回りました。増田足が上から長期足、中期足、短期足の順に並ぶEパターン(黒色)の完成です。利食い、またはカラ売りを仕掛けるのはここです。

その後は、6色帯が表示するとおり、急速な下降トレンドに入りました。

24.雄大な上昇相場の6色帯パターン(週足ベース)

トレンドの変化をしっかり確認することができる6色帯は、中期の相場分析にも力を発揮します。サニックス(4651)は、07年にかけて大きな上昇相場を演じました。これを、6色帯のパターンから分析してみましょう。

①の部分に注目してください。Eパターン(黒色)からFパターン(白色)、Aパターン(黄色)が3週ごとに変化しています。

かなり急なパターンの変動ですが、26週足を見るとピンクに変化しており、その足の大きさも、徐々にしっかりしたものに変化していったのが分かると思います。

Bパターン(緑色)に変化したところでは、上昇トレンドを信じてよさそうです。そのまま相場は、第1段階の上昇を形成しました。

その後、いったんCパターン(赤色)が出現します。これによって上昇トレンドが崩れることもあるのですが、このケースはその後も力強い上昇を続け、②の局面では再びBパターン(緑色)を回復し、前の高値を大幅に更新する展開となりました。

25.下降から気迷い状態の6色帯パターン(週足ベース)

ラウンドワン(4680)の週足チャートを見てみましょう。①の部分は、下降トレンドが一服しているところを示しています。

ここからさらに下げるのか、上昇に転じるのか迷うところです。先のダイニックの日足チャートでも見たように、①でも3週足、13週足、26週足が接近しています。6色帯も黄色、赤色、緑色、青色と2~3週ごとに入れ替わるパターンで、ここは買いも売りも様子見すべきところです。

①のすぐ後で、6色帯はいきなりAパターン(黄色)からEパターン(黒色)に変わるセオリー破りの展開となり、そのまま下降トレンドが確定します。その後も下げは加速しました。

週足だけを見ていると、ここで売るタイミングを捉えるのは難しいと思えるかもしれませんが、日足も同時にチェックしていれば、売りのチャンスは十分つかめたことでしょう。

②では、下降トレンドがいったん休止しました。3週足が13週足の上に出て、13週足もピンクに変わりました。カラ売りをしていた場合は、いったん手仕舞うところです。

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